九龍外界伝 其の十二

その瞬間、今まで真っ黒だったモニター画面が、奇妙な光と共にぐにゃり、と曲がった。

驚いて画面を見ると、真っ黒な中に、何か建物のようなものが見える。

私は思わず自分の口を塞いだ。そうでもしないと叫びだしそうだった。

ごちゃごちゃとした電装の下、狭くけばけばしい部屋の一角に、変わり果てた兄の姿を発見した。