小黒、ク−ロンフロントへ
邑 咲

ここは、1920年の妄想島。
この話はその島に住む一人の女性の話。
小黒という女の話。

この妄想島の中ではきわめて珍しい双子。その一人が小黒である。
小黒は双子の妹で姉とは仲良しである。

「小黒、お出かけ?あら、お姉さんは?」
「え?そう言えば朝から見てないわね。げめん、暁梅ちょっと家に戻るから。じゃね。」
小黒は全速力で走って家についた。
姉さんと何度読んでも姉のいる気配はない。
小黒が自分の部屋に入るとそこには、うっすらと姉が立っていた。
「小黒、、、、、1995年に、、、、、の日にあえる。」
そういうと姉の姿が消えた。小黒はパニックになったが、すぐに正気戻った。
こういうことに詳しい陰陽師に会いに行った。
「おじさん!いる?」
奥から出てきたのは妙な格好をした男。この島で唯一の陰陽師である。
「なんだ、小黒。」
小黒は姉のことを話した。
「フ−ム、ちと面倒だな。1995年、75年後じゃないか。ようし小黒タイムマシンを貸してやろう。未来に行けばなにか分かる。
ほら、乗れ。」
小黒は一瞬たじろいだが大好きな姉のため、タイムマシンに乗ることを決意した。
「よ−し、行って来い。みやげ話まっとるぞ−−−−−−−。」


1995年

「ここ、どこだろ?」
小黒の後ろに誰かが迫ってきた。
「アンタ、だれだい?イキナリ現れて。」
「あの、今西暦何年ですか?ここはどこ?あなたは?」
「今は西暦1995年5月13日。ここは龍津路私はハニ−レディ。」
小黒は、陰陽師と同様、姉のことを話す。
「そう、でもそう言うことなら、夏先生に会うといい。ク−ロンフロントって所にいてね。送ってやろうか?」
小黒はその夏先生に会うため、ハニ−にク−ロンフロントね送って貰った。


ク−ロンフロント

「ついたよ。じゃあね。」
「ありがと。」
「そうだ、この金で服でも買いなさい。その服古すぎるからね。」
そう言うとハニ−は一瞬にして消えた。
小黒はまず、ハニ−の言うとおりに服を買いに行った。
「へ−。オシャレね−。妄想島にはこんな服なかたな−。」
服を買った小黒はフロントの住人に夏先生の事を聞いて回った。
「夏、、、、先生かい?あのひとは上海に行ったよ。1年は帰ってこないそうだ。」
一年、、、こんな右も左も分からない所で1年も生きていける訳がない。小黒はその場に座り込んだ。
頭のなかで様々なことを考えた。今日泊まる所、姉のこと、妄想島の友達のこと。
「とりあえず今日泊まるところでも探さないといけないわね。
小黒は服のおつりを持ち、フロントを歩き回った。
しかし、ホテルは見つからなかった。
「おい、アンタ、なにしてる?あまりこっちには行かない方がいいぞ。私はウェイ是空のリ−ダ−をやっている。」
「私は小黒。今ホテルを探してるの。」
「ホテル、、、なら龍城飯店がいいぞ。俺がリッチに話てこよう。」

   
15分後

小黒はウェイに案内されるまま、龍城飯店にはいった。
「あんたか、ウェイの紹介がなけりゃトットト出ていって貰うところだがな。」
無愛想な顔で出迎えたリッチ。
ウェイはすぐにかえって行った。
「2,3日なら泊まっていってもいいんだぜ?だがな有料だ。一日300シザだ。」
300シザ、服のお釣りは200ちょいしかなかった。
小黒が帰ろうとしたその時。
「待てよ、俺は金を持ってない奴から金を取りたくないんだ。何日でも泊まっていけよ。」
しかし無愛想なのはかわらなかった。
「ありがとう。もう寝るわ。じゃあね。」
小黒は2階に登っていった。

翌日

「リッチいる?」
「ここだぜ。」
リッチはなぜか二人分の朝食を作っていた。心を開いたのか?
「まあ、食べな。腹減ってるだろう?遠慮しなくていい。」
「ありがとうリッチ」
「小黒、昨日はすまなかった。何日でも泊まっていい。それとな、速く姉さんが見つかればいいな。」
「知ってたの?」
「ああ、昨日お前の声が聞こえてたんだ。盗み聞きするつもりはなかった。」
小黒は首を横に振った。
「いいよ。そのくらい。それより、今私の名前、呼んでくれたわね。うれしいよ。」
それから小黒は2年間ク−ロンフロントにいた。風水師が来るまで。

                         

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